法務note
Q 保証に関する主な改正事項
契約書
実務上注意すべき改正事項は、以下のとおり。
1 連帯保証人への請求の絶対効
連帯保証人に対する履行の請求は、原則として、主債務者に対してその効力が生じなくなった(民法458条、441条)。
よって、連帯保証人に対する履行の請求が、主債務者に対しても及ぶ旨を契約書上明記するかを検討する必要がある。
2 債権者の情報提供義務
債権者は、委託を受けた保証人(法人含む)の請求があった場合、主債務の不履行の有無、元本等の残額、その内弁済期が到来している分の額等の情報提供をしなければいけなくなった(民法458条の2)。
3 期限の利益喪失時の債権者の情報提供義務
債権者は、保証人が個人の場合、主債務者が期限の利益を喪失した場合、保証人に対して、そのことを知った時から2箇月以内にその旨を通知する義務が定められた(民法458条の3)。
4 事業に係る債務についての保証の場合の主債務者の保証人に対する情報提供義務
保証人が個人の場合、事業のために負担する債務を主債務とする保証契約やこれを主債務の範囲に含む根保証契約について、その委託する主債務者に、自己の財産及び収支の状況に関する情報を保証人になろうとする者に対して提供義務が定められた(民法465条の10)。
5 個人根保証契約の場合の極度額の定め
個人根保証契約の場合、書面にて極度額を定める必要がある(民法465条の2)。
6 事業に係る債務についての保証の場合の公正証書作成
事業のために負担した貸金等債務を主債務者とする保証契約や、これを主債務の範囲に含む根保証契約については、保証人が個人の場合、一定の例外を除き、契約前に、公正証書で保証人になろうとする者の履行意思が表示されていないと効力が生じない(民法465条の6)。