法務note

Q 賃貸借契約で保証人をとる場合の留意点

不動産

賃貸借契約の賃借人のための保証契約は、その主債務が、一定の範囲の不特定の債務を保証するである「根保証契約」に該当する。そして、保証人が個人の場合には、「個人根保証契約」となる。

1 書面で極度額を
この「個人根保証契約」を締結する場合には、令和2年4月1日以降、書面で極度額を定めなければいけないこととなった。
この極度額の定めがない場合には、保証契約が無効となる。

2 極度額は明確に
この極度額は、明確に特定されている必要がある。
例えば、「月額賃料の1年分」というような定めをしてしまうと、賃料の改定があったような場合、旧賃料が基準となるのか、新賃料が基準になるのか不明確で特定されていないことになる可能性がある。

3 極度額は相当額を
この極度額をいくらにするか問題となるが、余り大きな金額にすると、公序良俗違反で無効になってしまう可能性がある。

一般社団法人全国賃貸不動産管理業協会が、極度額について、全会員を対象としたアンケート調査を実施したとのニュースによれば、賃料5万円と想定した場合の結果は、
「30万円以下」(6ヶ月分以下)16%
「30万円超~60万円以下」(6~12ヶ月以下)25%
「60万円超~120万円以下」(12ヶ月~24ヶ月)30%
「120万円超~180万円以下」(24ヶ月~36ヶ月) 4%
「180万円超」(3年分超) 5%。
とのことであった。賃料の2年分以下に回答が集中していることからすれば、2年分以下の賃料にしておくことが無難か。