法務note

Q 会社を清算させる方法。

事業再生・清算

Q 会社を清算させる方法にはどのような方法がありますか。

会社が債務超過の状態で清算する方法としては、破産が最もポピュラーな方法になります。
株式会社であれば、特別清算という方法もあります。

破産は、破産管財人という裁判所が選任した第三者(通常は弁護士)が、会社の管理処分権を取得し、破産管財人によって会社の財産が処分・換価されることになります。

他方、特別清算は、簡易な清算手続きと呼ばれ、破産手続の簡易版ですが、最大の違いは、破産管財人のような第三者によって清算手続が進められるのではなく、従前の取締役が清算人となり、清算業務を遂行するDIP型ということです。
破産の場合の破産管財人とは異なり、会社の実情をよく理解している者が清算業務を遂行するため、円滑かつ経済効率的であると言えるでしょう。また、破産手続よりも、迅速な清算業務を終えることも可能となるでしょう。更に、「破産」というレッテルを貼られることなく、会社を畳むことができるという点が大きいでしょう。

しかし、この特別清算は、株式会社しか対象としていませんので、それ以外の法人は利用できません。
また、会社が解散し、清算手続に入っていることが前提となるため、解散決議(特別決議)が可能な場合でないと使えません。
更に、債権者の頭数の過半数及び議決権の3分の2以上の同意が得られないと協定を成立させることができないため、協定成立の見込みがない場合には、破産手続を採るべきでしょう。
また、特別清算の手続きには、否認権の制度がありませんので、否認権の対象となるような行為があった場合には、特別清算手続の採用には慎重に検討すべきです。

特別清算は、解散していることが前提のため、事業を継続しながら事業を清算するソフトランディングには向いていません。
そこで、ソフトランディングさせる清算方法として、また、代表者の経済的更正が図りやすい、比較的新しい清算方法である特定調停スキームを利用した事業の清算方法が注目されます。