法務note

Q 平成30年相続法改正における遺産分割等における配偶者保護(持戻し免除の推定)の概要

その他

婚姻期間が20年以上である夫婦の一方配偶者が,他方配偶者に対し,その居住用(※1)建物又はその敷地(居住用不動産)を遺贈(※2)又は贈与した場合、持戻しの免除の意思表示があったものと推定する(民法903条4項)。
その結果、遺産分割において,原則として当該居住用不動産の持戻し計算を不要とする(当該居住用不動産の価額を特別受益として扱わずに計算をすることができる。)。

施行日(R1.7.1)前にされた遺贈又は贈与には適用されない(附則4)

 

※1
Q いつの時点において「居住用」である必要があるか。
A 被相続人の意思を推定するものであるから、贈与待ったは遺贈のがなされた時点で必要。但し、近い将来居住用になる供する目的であったことが認められる場合、「居住の用に供する」に該当するとの解釈ができる(「一問一答 新しい相続法〔第2版〕」61頁)

※2
Q  「相続させる」遺言の場合、この推定規定の適用あるか。
A 直接適用なし。
よって、遺言によって配偶者へ自宅不動産を承継させようとする場合、注意が必要である。
但し、事実上推定されるであろう。