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損害賠償の予定 2

学問のすすめ

損害賠償の予定については
 「NDA(秘密保持契約)
 や
 「損害賠償の予定
で述べましたが,契約書を作成する上で,かなり重要な条項ですね。

 

請負契約では,工事完成が遅れた場合,1日につき契約金額の1000分の○の割合による金員を損害賠償とする条項をよく見かけます。

 

売買契約書では,決済が不能になった場合,契約金額の20%を違約金とする旨の条項があります。

 

しかし,最近気付いたのですが,不動産売買契約書には,代金の支払や引渡が遅延した場合の損害賠償の予定を定めた条項を見かけません。

 

宅建協会の不動産売買契約書の雛形を見ても,遅延によって契約を解除した場合の違約金の定めはありますが,遅延したこと自体の損害賠償の予定が定められていません。

 

しかし,現実には,契約を解除するほどではないけど,引渡が遅延したことによる損害賠償をしたいという場合もあるはずです。
このような場合,損害賠償の予定がないと,損害額を証明しなければいけません。

 買い換で引越を既に決めていたから,引渡が遅れたことにより,その期間中ビジネスホテルに宿泊しなければならなくなったので,そのビジネスホテル宿泊代とか,荷物を倉庫に保管しておかなければ行けなくなった保管料とか…。
結構この証明も大変です。
ということは,売買契約書でも,履行が遅延した場合の損害賠償の予定の条項をいれると有益なのではないでしょうか。