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破産の時期
学問のすすめ
破産をする場合,破産開始決定(約4年前まで「破産宣告」と呼ばれていましたが,法改正により,「破産開始決定」になりました。)の時期が重要になります。
例えば,個人の方の破産の場合,破産開始決定の時に有していた財産が,破産財団(債権者に分配する財産)を構成します。逆の言い方をすると,破産後に取得した財産は,自分の自由にできる財産となるのです(自由財産といいます。)。
具体例で言うと,破産前に宝くじが当たった場合,その当選金は破産財団を構成し,債権者に分配される原資になってしまいますが,破産後に購入した宝くじが当たった場合には,自由財産になります。
宝くじは極端な例ですが,こんなことがありました。
ある相談者から,負債の整理について相談を受けていました。相談者は,「破産」というネーミングから破産をすることについて躊躇を感じていました。
しかし,話をきいていると,その方のお父様が入院をして,かなり危ない状態だということがわかりました。しかも,そのお父様はかなりの資産家ということでした。
私は,「そんな破産を躊躇している場合ではない。すぐに破産すべき。」と助言をし,その約1週間後には,破産をしました。
その約1か月後には,相談者のお父様はお亡くなりになり,相談者方は莫大な遺産を相続し,悠々自適な生活をされているようです。
もし,その方の破産が1ヶ月遅れていたら,莫大な遺産は,全て債権者に配当されることになっていたということです。