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共有物分割
学問のすすめ
離婚のときもそうでしたが,なぜか似たような事件の相談が続けてありました。それが共有物分割に関する事件です。
「共有」とは,共同所有のことを言います。
共有状態となる原因は,色々とあるでしょうが,仲間内や夫婦で,ある物をお互いにお金を出し合って購入した場合や,相続で,共同相続人が複数いて,共有となる場合などが考えられます。
前者の場合は,典型的な共有なのですが,後者の場合は「遺産共有」と言って,典型的な共有とは,その分割手続が異なります。
前者の場合には,「共有物分割」といい,後者の場合には「遺産分割」といいます。
いずれも共有者間の協議によって,分割ができるという点では共通するのですが,裁判手続になった場合,前者は,「共有物得分割訴訟」という地方裁判所の範疇になるのに対して,後者は,「遺産分割の調停(審判)」という家庭裁判所の範疇になるという違いがあります。
地裁か,家裁かという違いだけで,どちらで行っても同じような気がしますが,一応,そのように分けて考えられています。
どのように分割するかというと,
現物分割
価格賠償による分割
競売による分割
という方法があり,この順番で裁判所は検討することになります。価格賠償による分割というのは,共有者の一部が共有物を取得し,他の共有者にその持分相当額の賠償金を支払うという分割方法です。競売による分割は,共有物を競売にかけて,その売却金を分けるという方法です。