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裁判員裁判
学問のすすめ
とうとう来月から裁判員裁判が始まります。
当初,私はこの裁判員裁判について消極的でした。
理由は,刑事裁判を何も知らない素人が,裁判してはまずいのでは,という単純な感想からです。
また,人の意見を余り聞こうとせず,また,今まで培ってきた独自の考え方を有している裁判官が,何も知らない一般の方と,まともな議論をすることはできないのでは?という思いもありました。
しかし,今は考え方が変わりました。
「刑事裁判の裁判官」で指摘したとおり,今までの刑事裁判には問題がありすぎたと思います。
この刑事裁判が少しでも変わる可能性があるのですから,どんどん裁判員制度を使うべきではないか,という考え方に変わりつつあります。
弁護士としても,今まで疎外感を感じていた刑事裁判において,自分の力量が試されるのですから,モチベーションあがるのではないでしょうか。
法律にすれていない裁判員を説得できればいいのですから,プレゼン技術がものをいうことになるわけです。
法廷映画ではありませんが,アルパチーノの「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」という映画の最後のシーンにでてくるような弁護活動ができれば,裁判員の心を動かせるかもしれません。
ただ,この裁判員制度は,殺人や強盗殺人といった重い犯罪にしか用いられません。
裁判員制度の適用は,犯罪の軽重ではなく,先日最高裁で無罪判決があったような「痴漢事件」のように,事実関係が争われているかどうかで適用を決めるのがいいかと思いますが,どうでしょう。