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氏名冒用訴訟 5

学問のすすめ

C弁護士「いやいや,先ほどはびっくりしましたよ。 ところで,あの訴訟はどうしたのですか。」
ボス「追認して、訴訟は維持しました。でも、和解はしていません。」
C「この訴訟は私が起こしたので、取り下げたらいかがですか。」
ボス「取り下げませんよ。ところで、先生。この訴訟、誰の依頼だったのですか?Bから依頼を受けたですよね? 正直に応えて頂ければ,今回の件,不問に付します。」
C「なんでそんなこと答えなければいけないんだ。」
ボス「だから,正直に応えて頂ければ今回の件、不問に付します。協力していただけませんか?」
C「そんなこと答える必要ない。」(電話を切る)

 

私は,すぐに仮処分の申立書を起案しました。
氏名冒用訴訟をされたことを主張立証した結果,裁判所も処分禁止の仮処分決定をだしてくれました。
この仮処分を出す前に,裁判官との面接があるのですが,その面接で,裁判官も「よかったですね。1日前に発覚して和解を阻止できて。」と言ってくれて。

 

本案訴訟(C弁護士が提起した訴訟で,我々が追認をした訴訟)の第2回口頭弁論期日では,裁判官から
「しかし,氏名冒用訴訟はひどいねぇ。被告Bは,適当な金額で和解したらどうですか。」という和解勧告がありました。
Bの弁護士「はっ。前向きに検討します…。」

 

この裁判官の一言がきっかけとなり,その後,私とBの弁護士間で和解交渉をし,結局,AがBに対して700万円を支払い,BはAに対して,自宅土地建物と店舗土地建物の二つの物件双方とも返還するという内容の和解をしたのです。Bは実際には,300万円しかAに貸付をしていないので,700万円でも渡しすぎなのですが,実際,AB間の売買の効力を真剣に争った場合,敗訴リスクも十分(というか,敗訴する可能性が高い。)ありました。しかも,300万円は借りたお金ですからね。ですので,実質400万円の出費で1億円近い自宅と店舗の双方の不動産が戻ってきたことになりますので大成功でした。

 

しかし,あのA母の電話がなかったらどうなっていたか…。恐くて想像できません。

一方のC弁護士は…。