MENU

学問のすすめ。

納得いかない遺言が見つかった!

2008年04月01日

ある方が亡くなった場合,相続が発生しますが,遺言(通常,「ゆいごん」と表現しますが,何故か法律の世界では,「いごん」と呼びます。)が存在するかどうかが大きなポイントとなります。

 

亡くなった方は,何らかの理由をもってその遺言を作成されているのでしょうが,残された遺族にとって見れば,納得がいかない内容の遺言もあるはずです。
例えば,亡くなった夫が,全財産を愛人Aにやる(遺贈)というような記載をした遺言を残していた場合には,妻は納得いかないですよね。

 

そのような場合に,検討する必要があるのが遺留分減殺請求権です。

 

それでは,そもそも遺留分とは何でしょうか?
遺留分とは,相続人の最低守られるべき相続分,というものです。

 

先の例で言えば,全財産が愛人Aに遺贈されてしまうと,全く相続によって財産を取得できなくなります。しかし,配偶者には,遺留分として法定相続分の2分の1がありますので,妻の法定相続分が2分の1の場合には,4分の1(1/2×1/2=1/4)の遺留分があり,これが侵害されたことになります。

 

そこで,遺留分減殺請求権を行使すれば,遺留分相当の財産を愛人から取り戻すことができるのです。

 

相続の手続きっていつまで? でも記載しましたが,遺留分減殺請求権という権利は1年以内に行使しなければいけません。
もう少し正確に表現すると,被相続人(夫)の死亡と,遺留分が減殺されていることを知ったときから1年になります。

 

それでは,1年以内に,遺留分減殺請求権を行使するとして,具体的には何をするのでしょうか?それは,相手(愛人)に対して「遺留分減殺請求権を行使します。」と表明すればいいのです。しかし,それでは,後で「言った。言わない。」というトラブルになってしまいますので,内容証明郵便という少し特殊な郵便を発送するのが通常です。この郵便で,遺留分減殺請求権を行使した,という手紙を送っておけば,後で「言った。言わない。」という問題は避けられます。

 

1年以内に行わなければならないのは,これだけです。
これをしておいた後,愛人と遺留分侵害分の返還を話し合う(示談交渉)か,訴訟をするなどして,解決をすることになります。

 

このように,1年以内に手紙を出しておけばいいのです。
ですので,遺留分が侵害されているかどうか微妙な遺言がある場合には,念のため,遺留分減殺請求権の通知を内容証明郵便でだしておくことを勧めます。不動産や株の評価如何によって遺留分が侵害されているかどうか微妙な場合も多いのですが,そのような判断をしているうちに1年なんてあっという間にすぎてしまいます。
ですので,念のために,通知をして,後でゆっくり判断をすればいいのです。

 

この遺留分減殺請求権行使の通知を,通常の普通郵便で発送している弁護士さんがいましたが,信じられないですね。なんで,内容証明郵便で出さないのでしょうか?