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学問のすすめ。

念書と覚書?

2008年05月02日

よく,「『正式な契約書』を作成してください。」とか,「『公的な契約書』を作成してください。」という依頼を受けることがあります。

ところが,正式な契約書とか公的な契約書という概念はありません。
契約というのは,基本的には,口頭での約束です。ただ,口頭での約束だと,後で,「言った。」,「言わない。」というもめ事になる可能性があります。

そこで,この,「言った。」,「言わない。」という問題が生じないように,口頭での約束事を書面にして,それをお互いに確認し,確認した証として,署名や捺印をします。

ですので,メモ用紙に,走り書きしたものでもいいですし,名刺の裏に記載したものでも,お互いの約束事が記載されていれば,一種の契約書です。

契約書のタイトルも,あまり重要ではありません。
「『覚書』より『念書』の方が,効力上なんですよね?」という質問を受けることがありますが,どちらも一緒です。
契約書のタイトルには,効力について上も下もありません。

契約書のタイトルは,どのような合意・約束をしたかが一目でわかるようなものをつけるのが通常です。ですので,何かを買う契約をしたのであれば,通常は「売買契約書」というタイトルをつけます。しかし,「消費貸借契約書」というタイトルをつけたからといって,本文が売買契約であれば,それは売買契約書なのです。

というように,特に契約書の作成の仕方には,決まりやルールがあるわけではなく,約束したことがわかればいいのです

ただ,一般の方が契約書を作成すると,文章が不明確であり,第三者が読んで意味が読み取れなかったり,一義的ではなかったり,相互に矛盾をしていたりと,何かと問題が生じることが多いのも事実です。

ですので,「正式な契約書」とか「公的な契約書」を作成して欲しい,という依頼は,後で裁判でも問題とならないような,一義的な契約書を作成して欲しい,という意味でしょう。

ただ,「公的な契約書」らしいものもあります。
それが「公正証書」です。

名前からして,「公的」っぽいですよね。

この公正証書は,債権回収にも役立ちます。
これは次回に説明します。